【連載小説】『ジャストジャッジ』オレパ作(4)

ンバクは大学を卒業し、就職に向けての長い旅に出た。彼は何度も面接を受け、感触はよいのに一向に合格しなかった。マンダレーは息子の不幸を、近所に住むジョンテ氏のせいにした。ジョンテ氏が魔女を訪れていたからである。マンダレーは、かつて自分が新聞売りの仕事を求めて、ある新聞社の面接を受けたことを覚えている。その時に面接官たちが、採用者は決まっているのに調査を避けるために面接を行っている、というのを立ち聞きしてしまったのである。ンバクはこれを聞くなり激怒して立ち去った。彼は、「この国はいつか自由で公平な国になるのだろうか」と思っていた。面接に落ち続けた間も、地元の裁判所書記になれなかったことを決して忘れなかった。彼の地域には、裁判所がほとんどなく、その司法プロセスの遅さを和らげるために政府から援助されていた。ンバクは月に一回のぜいたくとして、夕食用に四分の一キロの牛肉を買った。すると、肉屋の店員が包んだ新聞紙にすべての重要なメッセージが載っていた。

 

司法省、事務職、募集。新設の地方裁判所での仕事を希望する者は、学部以上の学位を持ち、バンダ地方の出身であることが望ましい。

 

ンバクはそのニュースが最新のものであることを確認すると、ついにチャンスが来たと喜んだ。翌朝、彼は清書した手紙に関係書類を束ね、バンダタウンの市民課にもっていった。そしていよいよの日、黒のバギースーツに身を包んだンバクは、面接に向けて出発した。彼は少し早めに出て、少し歩いてからバンダタウン行きのバスに乗った。すべての志願者たちが、入り混じる不安と期待から、面接官より先に到着していた。ンバクは自分の番が来ると素早く入室した。彼はすべての質問にきっちりと答え、自分の書類についてプレゼンテーションした。他の志願者と違い、ンバクはかなり良い感触を得て満足していた。

 

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