大島新監督ドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』感想

どうもシャオムです。

少し前からダダオにおすすめされていた映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』を観に行きました。ダダオの言う通り、日本政治のリアルに迫る見どころたっぷりのドキュメンタリーでした。レビューといえるものかどうかはわかりませんが、鑑賞して感じたことを書きたいと思います。

この映画は、ドキュメンタリー監督の大島新氏が、衆議院議員小川淳也氏を追った映像がメインになっています。公式サイトから、紹介文を引用します。

衆議院議員小川淳也(当選5期)、49歳。

2019年の国会で統計不正を質し、SNSで「統計王子」「こんな政治家がいたのか」と注目を集めた。

彼と初めて出会ったのは、2003年10月10日、衆議院解散の日。

当時32歳、民主党から初出馬する小川にカメラを向けた。「国民のためという思いなら誰にも負けない自信がある」と真っすぐに語る無私な姿勢に惹かれ、事あるごとに撮影をするようになる。

いくら気高い政治思想があっても党利党益に貢献しないと出世できず、選挙区当選でなければ発言権も弱い。小川の地元である香川1区の対抗馬は、自民党平井卓也。平井は地元有力メディアである四国新聞西日本放送のオーナー一族で、強固な地盤を持つ。

そのため、小川は惜敗して敗者復活の比例当選を繰り返してきた。権力への欲望が足りず、家族も「政治家には向いていないのでは」と本音を漏らす。

www.youtube.com

映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」公式サイト

真っすぐで人望があるが、権力への欲望やしたたかさのない小川議員。紹介文にもあるように、小川議員の両親が「あの子は政治家には向いていないかも」と口をそろえます。そんな中でもお父さんが「本当に日本のためになる政治家がいるとしたら、淳也かもしれない」と語る場面は印象的でした。

また、小川議員が娘たちと街頭活動をしているとき、心ない罵声を浴びせられる場面があります。本気で政治に挑む父親を支える家族の姿にも、感じるところがありました。

そして何よりも、大島監督によるリアルな映像。政治の世界で実際に何が起こっているのか、その一端を見ることができます。タイトルの通り、真っすぐに国民に尽くす政治家がなぜ出世できないのか。なぜ政治家は嫌われるのか。政治家は本当に社会を良くできるのか。いやできないんじゃないか。でも、社会にとっては間違いなく政治が重要である。じゃあ私たちが政治に対してとるべき姿勢とは。こんなことを、とにかく考えさせられる映画でした。

大島新監督といえば、同じくドキュメンタリー監督大島渚氏の次男です。何年か前、大島渚監督のドキュメンタリー『忘れられた皇軍』を観て衝撃を受けたことを覚えています。そこに描かれていたのは、元日本軍で負傷した在日韓国人たちの姿でした。「日本人よ、これでいいのだろうか?」というメッセージは私たちの心に重くのしかかります。いずれにしても、彼らの撮る迫真の映像に、敬服です。

コロナ感染者の増加する中、明日8月1日には、『なぜ君は総理大臣になれないのか』の映像配信も行われるようです。

https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2063231

おそらく時代が進んでも価値を失わない、大島新監督のドキュメントをぜひご覧ください。

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