個別塾はケアワークなのでは

どうもシャオムです。

 

今回はちょっと教育関連の話です。

 

新型コロナで多くの業界がストップしていますが、僕が働いている塾はオンライン授業で代替しています。


一年くらい塾で働いていますが、最初のころは、個別指導はあまり好きではありませんでした。個別なのに生徒はあまり成績は上がらないし、なにより塾が勧めている勉強法が合理的ではない。教える側のこちらに裁量はありますが、塾の教材や指導方法が、自分の考えにあまり合っていませんでした。


しかし、塾で子供たちから強く信頼されている講師を見ていると、だんだん、あることに気が付いてきました。

それは、「面倒見の良い講師ほど、生徒からも親からも信頼されている」ということです。

個別指導塾に来る多くが、平均〜平均よりやや下位の子どもです。彼らの課題が成績アップであることに間違いはありませんが、それ以上に大事なのが、学習習慣の確立です。自分だけではうまく勉強できないから、個別指導が必要なのです。

こう考えると、こちらが提供しないといけない価値は、「うまく教えること」よりも「勉強の面倒を見ること」になります。面倒を見るのは大変な仕事です。信頼関係の構築、精神面のサポート、勉強計画の管理、自立の支援、やる気を引き出すこと、これらすべてが含まれます。こういうケアがうまいのは、頭が良い人ではなく、子どもが好きで面倒見の良い人なのです。


個別指導塾に来ている子どもの中には、学校に馴染んでいない子がいます。1日の半分を過ごす学校での生活がうまくいかないと、子どもの社会生活は行き詰まってしまいます。そういう子たちにとって、塾は、家庭・学校に次ぐ第3の場になります。塾に話を聞いてくれる人がいることで、前向きに生きるチャンスが生まれます。


このように考えると、個別指導の最大の価値は、「面倒を見ること」です。ケアワークは伝統的に、経済価値の低いものと見なされてきました。伝統的な家族が解体されていくにつれて、ケアワークの価値は高くなります。この価値を社会が正しく認識しないと、人々は孤立していきそうです。


今回はここまでにします。個別指導から、ケアワークの価値を考えてみました。またの機会に、集団塾についてもお話できればと思います。


シャオム


f:id:honmadesukate:20200710151723j:plain