数学学習の段階②【定理を導く】

どうもシャオムです。

数学の学習の段階は、定義→定理→応用と進みます。前回は「定義を知る」ことについて説明したところで、今回は定義から定理へと進む段階について書きたいと思います。実は数学の試験問題や、実際の勉強においては、そのほとんどが定理を応用して問題を解くという段階の学習になっています。つまり定義→定理→応用の流れの中の応用の部分であるということです。僕を含め、ほとんどの人が、定理を暗記してそれをいろいろな問題に当てはめて問題を解いていくという勉強をしてきたと思います。しかし、定理ははじめから存在するものではなく、定義から出発して導かれるものです。僕は数学の勉強で重要なのは、この定義から定理を導く段階であると思っています。

では、実際に例をあげて考えてみましょう。前回の定義の例で、「面積の定義」を紹介しました。たてが a、よこが b という長さの長方形の面積を「a × b」とする。これが面積の定義でした。つまり、長方形の面積はたて×よこで求められるというのが、面積の定義です。

次に、平行四辺形の面積を求めてみましょう。ご存知のとおり、平行四辺形の面積は「底辺×高さ」という公式で求めることができます。いま、下のように、底辺を c、高さを d とすると、面積は「c × d」となります。

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ほとんどの学生はこれを暗記していますが、これはもともとは、長方形の面積から導かれるものです。下の斜線部分を矢印の指す場所に移動することができます。

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そうすると、もとの平行四辺形の面積は、たてが d、よこが c の長方形の面積と同じになります。つまり、c × d となります。だから、平行四辺形の面積は「底辺×高さ」で求めることができるのです。いま説明した一連の流れは、長方形の面積という定義から出発して、平行四辺形の面積という定理を導いたということです。

定理を当たり前のものとして受け入れ、それを応用するという勉強もたしかにあるでしょう。しかし、そもそも定理がどのようにして生まれたのか、その成り立ちを考えることは、思考の良い練習になります。この重要性をわかったうえで数学に取り組めば、大いに身になるのではないかと思います。

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