数学学習の段階③【定理の応用】
どうもシャオムです。
「数学学習の段階」と題して連載しています。第1段階が定義の学習、第2段階が定理の導出でした。そして、第3段階は、定理を実際の問題に応用するということになります。僕の中では第2段階がもっとも強調したいところでしたので、第3段階はおまけみたいなものです。定理の応用は、私たちが学生時代にやっていたことなので、ほとんどピンときていただけるのではないでしょうか。
では、今まで面積の例を使って説明してきましたので、今回もその続きでいきたいと思います。
前回、長方形の面積という「定義」から、平行四辺形の面積は底辺と高さの積で求められるという「定理」を導きました。そこで、この定理を使って、平行四辺形の面積に関する問題を解いてみましょう。
問題といっても簡単なものです。
問題:底辺が a、面積が b である平行四辺形の高さを求める。
私たちは前回の話から、平行四辺形の面積が「底辺 × 高さ」で求められることを知っていますので、次の式が立てられます。すなわち、
a × 高さ = b
(底辺) (面積)
となります。これを、高さについての方程式として解くと、
高さ = b / a
となります。これがこの問題の答えですね。
以上の問題は、一つの方程式から答えが導ける簡単なものでしたが、もっとさまざまな定理や知識が組み合わさることによって、問題は複雑化していきます。しかし、どんな問題も、基本的な定理を応用していくことによって答えにたどり着くものなので、これは基本から着実に練習するしかありません。
もちろん、定理を問題へ応用し、問題を解く力を養うことは重要です。それによって思考力も鍛えられるものです。しかし、問題演習ばかりに慣れて、定理があたかも当然のことのように錯覚するのはあまり良いことではありません。突き詰めて考えれば、誰もが認めざるをえない「定義」や「公理」と呼ばれるものまでさかのぼることができるはずです。数学は、そういった緻密な一つ一つの論理によって成り立っているということを忘れないようにしましょう。