銀行って何してる?【ファイナンスを1から考える④】

どうもシャオムです。

今回は銀行の役割についてお話したいと思います。お金の流れを見るうえで、銀行が何をしているかを知るのは重要です。
銀行の最も基本的な機能は3つです。
①預金: 個人や企業からお金を預かってくれる
②為替: 場所から場所、口座から口座へお金を移動させる
③貸し出し: 個人や企業にお金を貸し出してくれる

①預金

預金は多くの人にとって一番身近な機能だと思います。普通預金、定期預金などいろいろ種類はありますが、基本的にお金を預かってくれると捉えればいいんじゃないでしょうか。基本的に預けたお金はいつでも引き出せるので、銀行は、お金を置いておける「金庫」とみなすこともできます。しかし、当たり前ですが銀行が倒産したら預金は返ってこないかもしれませんから、あくまでお金を貸しているにすぎません。銀行は支払えなくなるというわずかなリスクへの対価として、利子を払います。だから、預金するということは、低リスクな資産への「投資」と捉える方が良いかもしれません。

②為替

為替は一見当たり前のように感じますが、重要な機能です。たとえば、AさんがBさんに1万円を送ろうと思います。まずAさんは、自分の口座があるa銀行のATMで、Bさんのb銀行の口座に振り込みをします。するとAさんのa銀行の残高から1万円が引かれ、Bさんのb銀行の残高が1万円増えます。ここで、a銀行はb銀行に直接1万円を送っているわけでなく、日本銀行にあるそれぞれの口座を通して取引を行っています。つまり、日本銀行にあるa銀行の口座から1万円が引かれ、b銀行の口座に1万円が足されるということです。このように銀行がお金を移動させてくれるおかげで、私たちはすぐにお金を送ったり受け取ったりすることができます。

③貸し出し

銀行は企業や個人にお金を貸し出しています。銀行からお金を借りたければ、返済能力があるという信用が必要になってきます。個人がいきなり銀行から借りようとすると、担保のようなものが要るんですね。消費者金融とか、マイクロファイナンスとか、大きな担保がなくてもお金を借りられる仕組みについては、別途考えないといけませんので次回以降に回します。
それよりも今回は、銀行がお金を貸すと言っても実際は誰に貸してるんだ?ということを見ていきたいと思います。日本銀行が毎年、「貸出先別貸出金」というデータを公表しています。これは、日本全国の銀行がどの業種にいくら貸し出しているのかをまとめたデータです。2019年度を見てみると、国内全体の貸し出し額が約508兆円、そのうちの約28%が個人向け、残りの約72%が法人向けへの融資です。企業の規模で見ると、中小企業が全体の約59%となっています。業種別の貸し出し額の割合は言い出したら切りがないので割愛します(グラフにするにしても業種が多すぎました)。

www.boj.or.jp

 

というわけで、今回は銀行の役割について考えてみました。より細かく見ていくためには、銀行のバランスシートを読む必要がありますが、それはまたの機会にしたいと思います。

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