リスクとは何か【ファイナンスを1から考える⑫】

どうもシャオムです。
以前、期待値とは何かというテーマで、私たちの生活や社会に確率が密接に関係していることをお話しました。今回は、期待値とともに、ファイナンスの重要な考え方であるリスクについて考えてみましょう。
ファイナンス」というと、直ちに連想されるものは「お金」ですが、元をたどればお金はあくまで交換の媒体なので、本来それ自体に価値はないものです。価値があるのは資源の方ですから、ファイナンスの本質とは、持てる資源をどう使い、新たな資源を獲得するのかという問題になります。その際、もっとも重要なのが、リスクを管理することです。資源の使い方によっては、大きな損失を被るかもしれない。でももしかしたら得をするかもしれない。このようなリスクを管理していくことが、ファイナンスの考え方です。
わかりやすいようにギャンブルでたとえましょう。競馬である馬に10万円賭けるとします。いま、一番人気のAという馬にするか、人気のないBという馬にするか悩んでいます。Aは1着なら2倍、Bは1着なら30倍です。このような場合、おわかりの通り、Bの馬の方がリスクが大きいということになります。リスクを好む人は、Bのような馬に賭けたがるということです。
ギャンブルは多くの人は興味がないので、お金を離れて考えてみましょう。ある遠く離れた街まで、車で行くとします。連休の帰省ラッシュの影響で、高速道路は大規模な混雑が予想されています。スムーズに行けた場合、4時間で着くと予想されます。目的地へは高速道路ではなく下道を通っても行くことができます。下道は混雑の可能性が極めて低いですが、7時間ほどかかります。さて、8時間後に目的地に到着しなければならないとすると、高速道路と下道で、リスクが大きいのはどちらでしょうか。答えは高速道路です。下道を通れば、ほぼ確実に間に合いますが、高速道路はどれだけの遅れが出るか不透明です。このように、リスクに照らしてどちらの行動をとるかという考え方は、投資のそれと同じです。
今回は、リスクについて改めて書いてみました。投資とは何かについて書いた記事も書いていますので、そちらもご参照ください。

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