年賀状の意義について

どうもシャオムです。

今年も年賀状を書く時期になってきました、と言って、何人の人がこれに当てはまるでしょうか。僕は過去5年くらい、ほとんど年賀状を書いていません。僕の感覚では、若い世代に年賀状を書く文化が薄く、それに伴って社会全体が少しずつ年賀状離れしています。今回は、年賀状について、その機能を中心に考えていきます。

年賀状を書く目的は、言わずもがな、新年のあいさつをするためです。年賀状を書かないという人は、わざわざ葉書を出さなくても、ちゃんとあいさつするから大丈夫という感じでしょうか。このように、新年のあいさつという機能は、ほかで代替できてしまいます。

では、年賀状でなくては果たせない機能は何かというと、日頃関わっていない、昔の友人と連絡をとれることです。僕が子どもの頃、家には両親の知人から何通もの年賀状が届いていましたが、その多くは、僕が知らない人でした。両親自身も「この人は結婚したのか」という風に、年賀状を見てその人の近況を知るのです。このように、年賀状には、年賀状でしか連絡をとらない程度の関係を維持するという機能を持っています。このはたらきは、歳をとるごとに意味を増していくでしょう。年々、人間関係が多様化するとともに、関わらなくなる人も増えていくものです。

この機能は、ほかのものが代替できそうでできません。たとえば、Facebookは似た経歴の人どうしがつながれるような機能を持っています。おたがいにアカウントをフォローすれば、相手がどんなことをして過ごしているのかを知ることができます。しかし、タイムラインの投稿というのは一方的なものであり、個人に向けられたメッセージとは異質なものです。近況を知るということだけならば、Facebookで事足りるでしょうが、年賀状のもつ、丁寧なあいさつという機能までは果たせていません。

このように考えると、歳をとればとるほど、年賀状の意味は大きくなるといえます。年賀状の価値はもちろんこれだけではなく、文化や伝統という側面もあります。コミュニケーションの様式が変わること自体、良いとも悪いともいえませんが、年賀状という習慣が完全に消えるということはないのではないでしょうか。

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