どうもシャオムです。
「これからの時代に必要な学力」という文句を聞いたことはあるでしょうか。最近でいうと、プログラミング教育なんかがそれにあたります。これからの時代はプログラミング的な思考は重要だから、子どもにもそれを教えようということです。
僕は、プログラミング教育がどうこうではなく、こういう「これから必要になる能力」を教えるという考え方があまり好きではありません。ほかの例でいうと、これからは国際社会になるから英語を勉強した方がよいという説や、一人一人が経営能力を身に付けていかないといけない時代になるという説などです。これらはいわばトレンドであり、これからうまく生きていくために必要なことは何か、という話だと思います。この考え方はもちろん、私たちが生き残るために重要なことです。生物が環境に適応していこうとするのと同じですね。ただし、これは僕が思うに、それぞれが勝手に適応していくものであって、大人が子どもに教えるものではないと思います。
僕がこのように考える大きな理由は、これからの時代に必要な能力というのは、せいぜい5年も経てば変わっています。プログラミング教育が5年後にまだ重要だと言われているかどうかわかりませんが、少なくとも5年後には流行ってなさそうですよね。当たり前に必要な能力になっているかもしれませんが、もういらないと思われている可能性だってあります。子どもに教えるべきことは、今役に立つことや今の社会を生きていくために必要なことではなく、向こう70年や80年を生きていくために必要なことではないでしょうか。5年後に役に立つかどうかもわからないことに資源を使い、現場が対応するというのはあまり良い発想ではない気がします。
もちろん、私たちは、これからの80年間に必要な能力を知りません。ただし、今まで人間が何度も繰り返してきた歴史や、自然界の真理や、いつの時代も人々が感じる喜びや悲しみなど、すなわち普遍的な価値を教えることはできます。だから僕は、何を教えるかという問題については、そんなに改めて考える必要はないんじゃないかと思っています。一方で、どう教えるかということには高い関心を持っています。みなさんはこの「これからの時代に必要な能力」という問題について、どう考えるでしょうか。