男女共学か別学か

どうもシャオムです。

いきなりですが、今回は、男女共学か男女別学かの議論を考えていきたいと思います。誰でも学校には通ったことがありますし、自分の子どもをどんな学校に入れるかというのは、多くの親にとって大きな関心事でしょう。共学か別学かによって、さまざまな違いが出てきますが、その中でも、子どものジェンダー観ということを中心に考えてみたいと思います。
Googleで「共学か別学か」などと検索すると、「メリット・デメリットは?」というようなお役立ち記事がいくつか出てきます。その多くは、別学制の学校では、勉学に集中できる環境が整っている一方で、異性とのコミュニケーション能力が育たないという内容の議論がなされています。もちろんそれももっともなのですが、このような記事は親に向けて書かれたものです。ぜひ一度、自分の子どもをどちらに行かせるかという視点を離れて、子どもの中に培われるジェンダー観の違いを考えてみましょう。
現在、日本には92%の共学校、6%の女子校、2%の男子校があるそうです。また、別学の学校は減少傾向にあるとのことです。時代の流れ的には、共学が主流になってきているということですね。
さて、伝統的な女子校や男子校のイメージはどのようなものでしょうか。僕は共学にしか通ったことがないのでわからないですが、伝統的な「男らしさ」や「女らしさ」を重んじるようなイメージが多少ありました。実際、多くの別学制の学校には、「〜な女性」や「〜な男子」を育てるというような理念を持っていることでしょう。現代の考え方に則していえば、このように性別によって立てわけられた教育理念や制度自体が少し遅れていると感じる人もいるかもしれません。別学制が、男女の区別、ひいては性別に関するさまざまな固定観念を再生産しているというイメージを持つことも想像できます。
しかし、よく考えると、性という属性が意識されるのは、むしろ共学でのことなのです。共学校には、同性と異性という2つの属性があって、個人はそのどちらかに属します。ここでは、自分が男性であるとか女性であるとか、またそのどちらでもないというアイデンティティが強く意識され、それが行動や人間関係に大きく影響を及ぼします。たとえば、学校の風土によって、「男子は女子に手を出すべきではない」や「男子は女子に優しくするべきである」といった意識がはたらきます。これらは、共学だからこそは発動される意識です。
一方、別学制の学校というコミュニティには、異性という属性がありません。相手が自分と同じなのか違うのかという区別がないのです。その意味で、男子校や女子校は、とても「ジェンダー・フリー」です。日本の慣習では、学級のリーダーには男子が就くというような考え方が根強いですが、女子校ではもちろん女子がリーダーになります。別学には性別による「ラベル」がなく、子どもたちはジェンダーにとらわれず自由に活動できるのではないかと考えられます。
今回は、子どもの中に培われるジェンダー観という視点で、男女共学・別学について考えてみました。みなさんの意見もぜひお聞かせください。
 
 

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