最近、塾が困っていること―学校の評価の仕方が変わったことの影響―

どうもシャオムです。

このブログでは、学校がだんだんと変わってきていることについてたびたび言及していますが、その影響は塾にも及んでいます。やはり一番大きな影響を持つのは、「評価の仕方」が変わったことです。今回は、学校の評価の仕方が変わったことによって塾にどのような影響が出るのかを考えていきます。

 先日、こんなことがありました。塾である中学生の定期テストの成績を見せてもらうと、テストが100点満点ではなくなっていたのです。以前までは、すべての教科が100点満点で評価され、何点とれていればどのレベルなのかがだいたい把握できていました。しかし、突然点数のスケールがばらばらになり、国語は50点満点、社会は46点満点のようになってしまったのです。これは子どもたちからすれば大した変更ではないですが、大人からすればかなり違います。さらに、「観点別評価」がテストにも導入され、「知識」が20点満点、「関心・意欲」が16点満点のように各観点ごとの点数で評価されるようになっています。

このような評価の仕方の変更で、なぜ塾は困るでしょうか。今までは、定期テストの点数が物を言う評価の仕方でした。学校の成績の7割くらいは定期テストで決まるような評価です。しかし、評価が細かくなると、評価の材料が、学習のプロセスとかテスト以外の課題にまで分散されます。塾の強いところは、学習のプロセスなどをある程度すっ飛ばして、点を取るためのコツを売れることでした。しかし、評価方法が複雑になると、テストだけに照準を合わせた指導では、子どもたちの成績を上げられなくなったのです。

たとえば、方程式の範囲を教えるとき、塾では移項のルールを叩き込み、とにかく答えを求められることを目指して指導が行われることが多いです。しかし、学校での評価が方程式を解けるばかりではなく、なぜ移項という操作をしても良いのかや、方程式と恒等式の違いを理解することまで及ぶと、焦点を絞った指導は難しくなります。

塾は今後、入試の形式の変化に加えて、学校での評価の仕方にも対応していかなければならなくなります。仕組みがごちゃごちゃして一番困るのは子どもたちですから、何よりも彼らがのびのび学べる環境を作っていきたいと思います。

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