「就業力」よりも「創業力」を

どうもシャオムです。

僕の行っていた大学では、キャリア教育で「就業力」という言葉が使われていました。対人関係能力や思考力などの項目があり、社会に出るまでに身につけるべき能力の目安として用いられていました。今回はこの就業力に対して「創業力」という考え方を提示したいと思います。

就業力という言葉には、その名の通り、仕事に就くための能力という意味合いがあります。仕事に就くとは具体的に言えば、学生の間に就職活動で企業から内定を得るまたは公務員試験に合格することです。もちろん高校や大学には学生を社会に送り出すという責任があるので、仕事に就くための能力を育てるのは一つの責任といえます。しかし、教育機関としての本来の役割を考えると、就職のためのノウハウに終始せず、学生の持てる力に焦点を当てた教育ができた方が良いです。長い目で見ると、学生にとって必要なのは単に仕事に就く能力ではなく、仕事をし続けられる能力、もっとざっくり言えば、自立して生き続けられる能力だと言えます。

「就業力」という言葉の背景にあるものは、「会社に入ってしまえばあとは食っていける」という考えです。もちろんこのような考え方がもう成り立たないことは多くの学生が理解していますが、就職市場は依然としてこの従来の考え方に依存しています。

では、「就業力」に代わる、自立して生き続けられる力とはどのようなものでしょうか。経済的な面に限って言えば、それは市場感覚と呼ばれるもので、「世の中のモノやサービスの経済価値を正しく認識し、自分で価値を提供できる力」というような意味です。言い換えれば、自分の持つ資源に価値を付けて売る能力ともいえます。このような能力は教育機関が伝統的に苦手としてきた領域にあると思いますが、皆が急いで学んだ方が良いです。

そしてもっと広く「自立」という観点から見れば、自分のやりがいを見つけたり、自分が得たい成果に向かって学び行動したりする力であるといえます。いま挙げたような能力は仕事に就くという観点ではそれほど重要ではないかもしれません。しかし、個人の人生という単位で考えると、これらのような、仕組みに依存せずに自分で稼ぐ力、自分のやりたいことをし続ける力が重要であることは間違いないと思います。これらを仕事を創る力、すなわち「創業力」を名付けて終わりたいと思います。

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