少年野球の良い指導法を考えよう

どうもシャオムです。

最近、小学校時代の友達に誘われて、ソフトボールチームに入っています。月に2、3回しっかり運動する機会になっていますし、好きで楽しいスポーツをするのが何より気分転換になっています。

ところが先日、ちょっと考えさせられることが起こりました。その日は練習試合で、僕はサードを守っていました。試合が始まって少し経ったころ、ベンチから「サード、もっと前を守れ!」という声が飛びました。こういう指示が出るのはよくあることで、僕は普通に2、3歩前に出ました。すると、2回の先頭バッターのところで、高いバウンドの弱い打球が飛んできました。僕はとっさに無理やり突っ込んでしまい、中途半端なバウンドでボールを弾いてしまいました。普通に待って捕っていれば、平凡なサードゴロです。「なんで突っ込むんや!」という声が飛びます。気を取り直して次のバッター、今度は強烈なゴロが飛んできて、反応できずに後ろにそらしてしまいました。「おい2人連続やぞ!」という声が飛びます。結局この2人が返って2点取られてしまいました。

落ち着いて考えると、あの2つのエラーは、いつもより前を守っていたから起きたミスです。1つ目は後ろからバウンドを合わせていても十分間に合ったでしょうし、2つ目は後ろなら反応できていました。もちろんどこを守っていようと自分の捕れる範囲の打球は捕らないといけないので言い訳にはなりませんが、普段通りの場所を守っていればきっとどちらもアウトにできていたでしょう。この2つのエラーの後僕が意識していたことは、「弱いゴロで突っ込まないように」ということで、もしそんな打球がきていたら、待って捕って内野安打にしていたでしょう。

ここから言えることは、プレーに口出ししてもいいことはないということです。僕がエラーをした後に考えないといけないのは、「次に打球が飛んできたらどこへ投げよう」「このランナーは足が速いかな」といったことです。しかし、エラーに対して周りが「なんで突っ込まないんだ」とか「体で止めろ」とか言ってしまうと、「突っ込まないように」とか「体で止めないと」という意識が頭を支配してしまいます。打席で初球の甘いボールを見送ったバッターに「なんで今の打たへんねん!」と言ったとします。すると、そのバッターは次のストライクは絶対見送ってはいけないという意識がはたらき、ボール球に手を出す確率が高くなります。この時点で、そのバッターの本来の実力は発揮されませんし、ボール球を振って三振しても本人は反省のしようがありません。

今振り返ると、小中高で野球やソフトボールをやっていたころは、こういう意味のない声かけがみんなのプレーを窮屈にしていました。今の僕でもベンチからの注意に委縮するのですから、子どもがパニックになるのは当然です。子どもがミスをしたとき、次にミスをしないためには、なぜミスをしたのかと次にどうするかを考えることです。指導者としては、子ども自身がそのように考えられるよう、声をかけてあげるのが良いということになります。野球のような伝統的なスポーツでは、ミスすれば怒られるのが当たり前、考える前に体で覚えろというのが常識だったのではないかと思います。もちろん、危険なプレーなど絶対にやめさせないといけないことはありますが、プレーの上達に関することについて、「こうしなさい」「こうしないからダメだ」では子どもがかわいそうです。

少年野球をはじめ、青少年のスポーツには「規律を守る」「忍耐力を身につける」「体力をつける」などの目標は当然あるでしょうが、何よりも「スポーツを楽しむ」ということが一番にきてほしい。これが僕個人の思いです。

f:id:honmadesukate:20200710151723j:plain