株式会社とは何か【ファイナンスを1から考える⑥】

どうもシャオムです。

今回は、株式会社について考えていきたいと思います。会社に勤めている人も多いですし、そうでなくても株式会社は、私たちに密接にかかわる存在です。世の中のお金の流れをみるとき、株式会社は大きな役割を担っています。みなさんも、自分と会社という関係ではなく、経済の中の会社という全体観で考えてみてください。

そもそも、株式会社とは何でしょうか。会社とは、何か商売をしてお金を儲ける組織です。これは大体の人が理解していると思います。では、株式が一体何かですね。今回の本題になりますが、株式とは、会社に出資した人が得ることができる会社の所有権ということができます。そしてこの出資をする人のことを株主といいます。「出資する」という点が一番重要ですね。要するに株式会社は、株主から資金を調達して商売(経営)を行い、その利益を株主に分配するという仕組みになっています。株主は会社の持ち主ですから、直接経営にかかわっていなくても、経営に対して意見することができます。逆に言うと、会社は株主に対して、説明責任を果たさなければなりません。

ではここで、実際の会社の株はどんな人が持っているのかを見ておきましょう。たとえば、トヨタ自動車の持ち株比率(株全体のうち、誰が何%の株を持っているか)は以下のようになっています。

https://kabutan.jp/stock/holder?code=7203

自社:15.23%

日本トラスティ・サービス信託銀行:10.96%

豊田自動織機:7.31%

日本マスタートラスト信託銀行:6.19%

日本生命保険:3.90%

 上にあげた5つで、全体の合計44%ほどの株を占めていますが、自社や関連会社、またその他の大企業など、他の会社が株主となっていることがわかります。個人投資家が持っている株というのは全体の半分もないのですね。少しがイメージがわいたでしょうか。

 

次に、株式会社の起源を見ておきましょう。世界初の株式会社は、1602年オランダに設立された東インド会社と言われています。東インド会社は、アジア地域で手に入る香辛料などをヨーロッパに運ぶことで利益を得ていた会社です。当時、イギリスにも同じように貿易で利益を生む会社が設立されていました。しかしそれらは、航海が行われるたびに出資者を募り、一回の航海が終われば出資者に利益を分配して会社は解散される、というものでした。このような一時的な会社が繰り返し作られていました。しかし、オランダの東インド会社は、貿易を通して継続的に利益を上げることを目的に作られたものでした。さらに、今の株式会社と同様に、会社の株式を、市場で自由に売買することができました。これらの点から、オランダの東インド会社は、初の株式会社と呼ばれています。歴史を見ることで、株式会社の原理をより深く理解できるのではないかと思います。

 

今回は、今の経済の主役である株式会社の仕組みを見ていきました。次回は、投資家の視点から株とは何かを考えていきたいと思います。

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