コーチングについて

どうもシャオムです。

コーチングという言葉を聞いたことがありますか?部下の育成する立場の上司ややスポーツトレーナー、教育者らの間で、近年注目されている人材育成方法です。コーチングはざっくりといえば、コーチ(育てる側)が教え込むのではなくクライアント(育てる対象)の持てる力を引き出すことで、育成をはかるという考え方です。従来のような「教える」ことが中心の教育方法を「ティーチング」といい、「コーチング」とよく比較されます。今回は、コーチングの概要を簡単に紹介します。

コーチングの理論はさまざまなものがありますが、それは要するに人を育てる立場としての「かかわり方」に関することです。どのようなかかわり方が、コーチングなのかを見ていきましょう。

まず、コーチングでは、失敗した人を「責める」ことや、「怒る」こと、またなぜ失敗したのかを「問いただすこと」や「詰まる」ことなどは、すべて否定されます。また、クライアントが知らないことをコーチが「教える」ことや、間違いを「正す」こと、知識を「授ける」ことなどは、コーチングの中心ではありません。

コーチングの核となるかかわり方とは、クライアント中心主義のかかわり方です。うまくいかないことも、成長するためのきっかけも、すべてはクライアントの内面に存在するという考え方に立ち、クライアントの治癒力や成長する力を引き出すというのがコーチの役割になります。ティーチングがすぐに問題を解決するための特効薬だとすれば、コーチングは漢方や対症療法のようなものといえるかもしれません。

コーチングにおいて重要なコーチの姿勢は、「傾聴」、「承認」、「質問」です。「傾聴」とは、クライアントの話に耳を傾けるということです。ここでは、クライアントに対してどんな言葉をかけるのかといった問題はさておき、とりあえず聴くということが最優先されます。このとき、クライアントの話に対して褒めたり叱ったりなどの評価はしません。

「承認」は、クライアントが成長したことや変わったことに対して評価をすることです。「褒める」ではなく「承認する」という言葉が使われるのは、おそらく、主観的な評価ではなく、客観的な事実をもって評価するということに力点が置かれているからです。もっとも重要なのは、クライアントが成した言動や取り組みを無視しないという姿勢です。

「質問」は、クライアントの思考を前へ進めるのをコーチが手助けする目的で行われます。質問は「YES/NO」で答えるような「閉じた質問」ではなく、「どんな〜」や「何」を尋ねる「開いた質問」が重視されます。また、「なぜ〜しないのか」といったネガティブな問いは「詰問」と定義され、それよりも「どうやったら〜できるか」という前向きな「質問」が奨励されます。

以上のような姿勢やスキルをもって、コーチングの考え方は構成されています。きわめて今風というか、時代に合った教育の考え方ではないかと思っています。それは何といっても、人間の内面に注目した理論だからでしょう。

さて、もともとこのブログでコーチングを取り上げたのは、コーチング自体を紹介しようと思ったのではなく、「コーチングの落とし穴」という題で、ちょっと違うところの話をしようと思ったからなのです。ただ、さあ書こうというところで、コーチングについて知らない人もいらっしゃるかと思ったので、まずは今回の記事でコーチングの概要をざっと書いてみました。次回の記事も合わせて読んでみてください。


http://www.business-sol.jp/article/14887479.html

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