オンライン授業で大学生は何を失ったか

どうもシャオムです。

8月も今日で終わりになりますが、各大学は夏休み、またはそろそろ後期に差し掛かるころでしょうか。今年度はどこの大学でもオンライン授業が中心になり、学生、教員、大学側がすべてが困難な環境に立たされることになりました。今回は大学生の目線で、対面授業からオンライン授業になった影響を考えていきます。

まず、大学生が失った最も大きなものは、学びの機会ではなく、他の学生とのつながりではないでしょうか。大学という場所に人が集まることによって、授業にもコミュケーションの幅ができますし、授業外でも様々な人間関係が生まれます。代表的なものでは、サークルやゼミなどが活発に活動するのは難しい状況でした。大学の学費は主に講義への対価として支払われるものだと思いますが、新しい生活様式への変化を経て、授業以外の活動が大学生にとって大きな価値となっていたことが明確になったのではないでしょうか。大学で授業がないとなると、もちろん家を出る回数が減ることになるので、運動や買い物など、外でのあらゆる活動の機会が少なくなっています。この状況が長く続くと、メンタル面への影響も出るでしょうし、「何にこんな学費を払ってるんだ」と考える人がいてもおかしくありません。

そもそも、多くの若者が大学に行く理由はなんでしょうか。典型的な理由は、大卒の方が高卒よりも収入が高いからです。もっというと、高い学費を払って大学に行ったとしても、生涯収入では高卒を上回ることができるからです。では、なぜ大卒の方が収入が高いでしょうか。これはいろいろな説明の仕方がありますが、一つの理由は、大学の学位というものが強力な効力をある資格としての意味を持ち、この資格を持っていない人との差別化をする道具となるからです。大卒の割合が少ない時代は、大卒というだけで官僚になるなど出世することができました。現在でも、大学を出ていれば一定の職を得て食っていけるという常識が浸透しています。

ホリエモンが「大学なんて意味がない」と言うのは、別に間違ってはいません。「ただし、自分で学ぶことができて自分で稼ぐことができるなら」という条件が付くというだけです。つまり、大学の学位が今まで通り、ある程度の将来を約束する限りは、人々は大学に行きたがるでしょう。

しかし、企業が大学の学位を評価しなくなり、学位の価値がもっともっと下がったとしたらどうでしょうか。大学は文字通り、純粋に学問をやりたい人の集まりとなります。学費の相場は見直され、様々な制度も今とは大きくことなることでしょう。

コロナ禍での対面授業の中止は、私たちにこのようなことを考えさせました。企業の働き方も変化する今、採用の基準もこれから変わっていくということは大いにありえます。今までのように、大学を出ていればとりあえず職が見つかるというような状況はなくなるかもしれません。いずれにしても、変化を余儀なくされた学生一人一人が、大学の意義を改めて考え、自分の生きていく方法を模索する時代に入っていくのではないでしょうか。

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