日本学術会議の会員任命問題について

どうもシャオムです。

一昨日、こんなニュースが出ました。

日本学術会議の新会員の任命について、菅総理が、会議から推薦された候補のうち6人を任命しなかったというニュースです。まだあまり知らないという方は、記事を載せておきますのでご確認ください。

 

そもそも日本学術会議が何なのかを確認しておきましょう。ホームページには「我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関」とあります。主な仕事は①政策提言、②国際的な活動、③科学者間ネット―ワークの構築、④科学の役割についての世論啓発となっています。つまり、内閣の一つの機関であって、国立の大きなアカデミーということです。

日本学術会議|わが国の科学者の内外に対する代表機関

 

日本学術会議の会員は、記事でも述べられている通り、会議側が推薦し、総理大臣が任命するという方法で決められています。この手続きには法的な裏付けがあり、憲法23条の学問の自由の項に基づいて、日本学術会議法という法律に従って行われています。今回、新たな会員として推薦された105名のうち、6名の任命が見送られました。総理大臣が何らかの理由でこの6名を任命しなかったことが、違法ではないかと議論になっているわけです。

では、今回任命されなかった6人の学者はどんな人でしょうか。すでに各教授のコメントが出ているので、見てみてください。

まず京都新聞の松宮教授のインタビューです。この記事は、日本学術会議の仕組みについてもわかりやすくまとめられています。松宮教授は、共謀罪関連の法律について否定的な意見を述べたことがあるとのことです。

 

次に加藤教授のコメントが載った朝日新聞の記事。加藤教授も共謀罪に反対の立場をとったことが書かれています。

 

以上から、今回任命されなかった人物の中には、過去に政権に対して何らかの反対意見を述べたことがある人がいることがわかります。逆に任命された99人の中にも、そのような人がいたのかもしれません。しかし今回問題なのは、内閣が初めて任命を見送ったという点であり、今回のような手続きで内閣が学者を選別することが法的に認められるのかというのが論点であると思います。政府は6名を任命しなかった理由を述べていません。今回の人事にはこのような政権に否定的な立場が関係しているというのは憶測でしかないですが、いずれにしても、早くも内閣の責任が問われる局面が来たなという印象です。

以前から書いているように、このブログにはニュースについての記事はあまり書かないのですが、今回のような後から振り返っても重要になるのであろう出来事についてはむしろ書いた方が良いと思いました。今までも、公文書の改ざんのときのように、内閣の責任が問われる事件が起こった後、時間とともに事件の印象がなんとなく薄くなっていき、結局何も解決していないという事実があります。今後の動きを注視していきましょう。

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