お笑いがいじめにつながると考える人へ

どうもシャオムです。

「いじり」と「いじめ」の境目みたいな話、よくありますよね。「友だちをからかっていたら、度が過ぎてしまいました」みたいな話です。一方、お笑いの中には伝統的に、人をいじったり、理不尽な仕打ちをしたりすることでおもしろくなるという要素があります。たとえば、誰かを理不尽にど突いて、痛がるリアクションで笑うみたいなことです。お笑い芸人のノリを見て、それを真似する子どもも多いことから、お笑いが好きではない人や教育上良くないと思っている人もいます。この問題をどう考えるべきでしょうか。今回は2つの角度から考えてみたいと思います。

まず、今挙げた例のように、ちょっとしたノリがいじめに発展してしまうケースについて考えます。学校ではよくあることだと思いますが、これをどう防げばよいでしょうか。一つの解決策として考えられるのは、いじりといじめの境目なんてわからないのだから、一切人をいじるなという考え方です。これの良し悪しはわかりませんが、非現実的です。いじられて嫌な気にならない人や、自分がいじられることで人が笑えば嬉しい人もいます。人をいじる自由はなかなか制限できるとは思えません。だからこの問題は、当事者同士がしっかり考えていくしかないように思います。第一に相手を傷つけないこと。そして信頼のうえにコミュニケーションをとることだと思います。軽い気持ちでいじっていたつもりが傷つけてしまったならば、それはいじった方が加害者です。このようなケースに関しては、相手の気持ちを考える以外に方法はないと思います。

もう一つのケースは、少し違った見方ができるかと思います。よくバラエティ番組で、勉強ができない芸能人や変わったことをする芸能人ををバカにするという笑いがあります。これもちゃんとお笑いとして成り立っていて、今後もなくなるものではありません。人をバカにするお笑いがなぜ成り立つかというと、バカにされた側が嫌な思いをしていないからです。テレビでバカにされて笑いをとっている芸人は、それがおもしろさであり、彼らにとっての価値です。問題は、そのような前提のない関係において、バカにされた人が嫌な思いをする場合です。たとえば、学校で運動の苦手な子がバカにされる場合。バラエティは、このような風潮を煽り、いじめを生んでいると考える人がいます。たしかに、バラエティの真似をしてコミュニケーションをとる子どももいるでしょうから、これは一つの問題ではあります。しかし、視点をずらすと、これは学校という集団でなければ起こらない問題ともいえます。得手不得手に関わらず、全員がサッカーをさせられ、歌を歌わされ、勉強をさせられるのですから、ある意味、苦手な子を見世物にするような環境が整っているといえます。苦手なことをやらなくてよい環境であれば、そのようなことが原因で嫌な思いをする子どもはいないはずです。バラエティ番組のノリはいじめの種かもしれませんが、その芽を出させない環境をつくるという考え方もあるのではないでしょうか。

以上、笑いからつながるいじめについてでした。やはり、無意識に人を害するということが、一番気をつけなければならないことだと感じました。

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