劇場のお客さんは批評をしない

どうもシャオムです。

先日、劇場にお笑いライブを観に行きました。何年ぶりかに生のお笑いを観ましたが、やっぱり劇場はいいなあと思いました。

M-1グランプリが終わってから、「マヂカルラブリーのネタは漫才なのか」という議論が少し起こっていますが、実際に劇場に足を運んでみて、劇場のお客さんと、画面越しのお客さんにはかなり隔たりがあると感じました。

劇場に観にくるお客さんは、一言でいえば「優しい」です。芸人が舞台に出てくる前から、ずてに笑う準備ができていて、温かい雰囲気で芸人を迎えることができています。考えてみると当たり前のことです。お金を払って劇場に観に来ているのですから、笑うために来ているのであって、笑わないために来ているのではありません。

しかし、テレビやその他の映像でお笑いを観る人の中には、一定数、「芸人を評価する」ために観ているという層がいます。もちろん、芸人はそういう人たちに評価されることによって自分の芸を進化させていきます。M-1グランプリの審査員のように、「誰々は面白い」、「誰々は面白くない」という風に評論し、他人と意見を言い合うのは、たしかに楽しいことです。それ自体がエンタメという見方ももちろんあります。しかし、根本的には、観た人が純粋に笑うためのお笑いです。「あれは漫才ではない」という人は、笑うために観ているというよりも、批評するために観ているといえます。実際に大勢の人がネタを観て笑い、爽快な気分になっているのに、本人たちが、画面の向こうの批評家からの「あれは漫才じゃない」という批判を気にする必要があるでしょうか。

劇場のお客さんは、演者を批評しません。もちろん、批評するのが好きで観にくる人も少しはいるでしょう。ただ、それはあまり誰も幸せにはしないでしょう。笑った方がみんな幸せなのですから。芸人の立場からは、「批判しないでください」とはなかなかいえないはずです。それも受け止めるのがプロだからです。だから僕のような一般人が、「シンプルに笑おうよ」と呼びかけることで、お笑い民度が少しでも上がればいいなあと思っています。

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