緊急事態宣言、是か非かー市民としての視点ー

どうもシャオムです。

4日間、価値多元主義の話をしすぎまして、あまり興味のない方には大変に失礼しました。そうこうしているうちに、首都圏では緊急事態宣言が発令されようとしており、他の地域での感染も拡大しています。前回までとは一転して今回は、緊急事態宣言を発令すべきかどうかについて、改めて論点を整理しつつ、市民としての考え方を探っていきたいと思います。

昨年4月に発令された緊急事態宣言では、主に外出自粛が要請され、経済活動の多くがストップしました。宣言が解除されて以降は、バランスをとりながら「新しい生活様式」を実践してきたわけですが、今回の感染拡大で再び宣言が発令される運びとなりました。宣言を出すべきなのかどうか、改めて少し考えてみましょう。

宣言を出すべきだという立場の主張には、「宣言を出さないと拡大が止められない」という考えが前提にあります。これ以上感染が拡大すると、「医療崩壊」が起こり、助けられない人が出てきてしまうという不安があります。比較的感染が拡大しているのは若い世代であることから、若者は活動をしたいのに対して高齢者は活動をやめてほしいという思いがあります。したがって、宣言を出してほしい人たちというのは、高齢者や持病を持っている方、医療関係者らであると想像できます。

一方、若い世代は、感染が拡大している中でも、できる範囲での活動をしたいという考え方が主流なのではないかと思います。社会全体で見れば、緊急事態に伴って経済活動を制限すれば、収入源が絶たれてしまう人がたくさんいます。そのことから、前回の緊急事態の際には、感染拡大か、経済活動ストップかという二択で語られることがよくありました。

緊急事態宣言の賛成派の考えには、飲食店など、収入が減少する事業者への補助が前提になっていると思います。政府からの補助なしで経済活動を止めてしまえば、大変なことになるからです。しかし、莫大に増加した年末の予算案を見ればわかる通り、今回のコロナで政府の支出というのは膨れ上がります。この分の費用はどこからくるのかと考えれば、それはもちろん税金ということになります。つまり、長期的に見れば、経済を回さないことには税収も見込めず、支出が膨れ上がって国自体が破産するということになります。このように、政府からの補助も税金で賄われており、税収は経済活動によって得られているということを見落とすわけにはいかないのです。

経済活動のストップは、単に事業者を困らせるという問題だけではなく、国の財政全体に関わる問題です。その視点に立ったとき、本当に緊急事態宣言というカードを切るのは妥当な政策なのでしょうか。今回の宣言でどの程度の活動が制限されるのかわかりませんが、その影響を注視していきたいと思います。

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