【連載小説】『ジャストジャッジ』オレパ作(2)
ビンギ氏は全財産を息子の教育にあてた。ンバクは幼い時、軍に入りたかった。彼にとっては軍服の色が素敵であったし、軍人という仕事がかっこよく見えた。大尉、大佐、少佐、警視正、軍曹-そういう名前があこがれであった。しかし、困難とトラウマの戦慄的な話を聞いて、法学の道に進むことになる。法曹界にも軍と同じように判事、首席、裁判官など役職がある。「首席弁護士・ンバク」を夢見て、彼は日夜勉強に励んだ。そして期末試験で良い成績をおさめ、法学では全国トップクラスの大学を目指すまでになった。それはもちろん両親にとって嬉しいことであり、ンバクが大学に行けるよう熱心に働いた。
「僕は大学でレーグム・バカローレウスをとるよ!」
「レーギムバッカリーニ?なにそれ」
ガールフレンドのレギーにはさっぱりわからない。
「まあ、法学士号ってなもんだよ」
法学部の准教授にでもなったかのような説明だ。
レギーにとって、ンバクがだれもが憧れるような著名な大学に行くことは誇りであった。一方で、ンバクが大学で悪い女に奪われてしまわないか心配していた。ンバクが彼女を愛していることはよくわかっていたが、白い太ももを露出したシティー・ガールはどんな男にとっても誘惑である。
「河原で約束したこと、忘れないでね」
レギーは初めてンバクと恋に落ちたことを思い出し、涙を浮かべていた。
「泣くなよ。君にはずっと正直でいるよ。約束を守る」
ンバクは落ち着こうと努めたが、その声は震えていた。